専門的で難しいことを、すごくわかりやすく話せる人がいる。
先輩のFさんは、まさにそういった人だ。
彼女は物理の博士課程の先輩で、わけわからないはずの議論を、簡単な言葉を使って、わかりやすいストーリーで説明してくれる。
そんな、気さくな口調で人好きのする彼女は、実は物凄い賞をとりまくっている、名の知れた超スーパーエリートである。
専門的なことをわかりやすく伝えるのは、とても難しいことだ。
彼女を見ていて思うのは、もちろん努力と才能もあるに違いないのだけれども、
理解したことを、自分の言葉でもう一回、再構築してみる習慣があるのだろうな、ということである。
私たちは学んだことを、その形のまま、断片的なままで、放置してしまいがちだけれど、
自分のなかで言葉にして反芻することで、それらはもっとも記憶として残りやすいストーリーになって、
いつでも取り出せる引き出しにしまわれるのだ。
尊敬するFさんのように、説明上手になりたいなあ、とつくづく思う。