卒業しました(します)

 

急な用事で大学に行ったある平日。
天気の良い二月半ば、入構制限のかかったキャンパスは妙に広く、平日だというのにのんびりと春の雰囲気を感じながら散歩をしているようだった。

 

総合図書館総合図書館

 

学部修士と六年お世話になったが、ようやく修論審査も終了して、卒業を迎えることができた(る)。めでたい……

図書館前の噴水は水が止められていた

 

卒業式や卒業旅行で皆に会うわけでもなく、かといってFacebookやSNSで真面目に挨拶する勇気もないが、
せっかくの節目の機会なので、思っていることなどをつらつらと記録しておこうと思う。

 

大学で、学んだこと、挙げ出したらきりがないけれど、
ふさわしい何点かをとりあげるとするならば、

・日々の誠実性に勝るものはないこと
・自分や私たちには出来ないことがたくさんあること
・自律するということ

などだろうか。(もちろんサイエンスもたくさん学んだ笑)

 

“日々の誠実性”

あらゆる場面で、見渡してみると、優秀な人や成功している人、尊敬する人は日々の誠実性が高かったと強く実感している。誠実性というのは、日々人との約束はもちろん自分とのささいな約束を守れるということだ。平たく言えば毎日こつこつと努力できるということになるが、’努力’というより、’約束を守る’、’やることをやる’、という方が正しいように思う。大事なのはストレスに打ち勝つことではなくて、そこそこ目的のある習慣を、続けることだからだ。
研究や仕事でなくても、例えば良い人間関係の構築に成功している人は、日々安定して、他人を配慮したささいな発言や行動をしているし、自分を幸福に保てる人は、何気ない日常を大事にし人に見られない家事を「そこそこ」やっている。誠実性は、他人からの信頼度を高め、自分の目標を近づけてくれる。

気分屋で面倒臭がりな自分にはなかなか実現できていないけれど、少しでも彼らを見習いたいものである。。

私は元旦にいつも何の新規性もないあたり前の目標を立てるのだが、
結局当たり前のことを普通にやるのが、一番大事なのだと思っている。

 

“自分や私たちには出来ないことがたくさんある”

人よりも自分は劣っている、ということではなくて、自分には出来ないことやわからないことがたくさんある。不思議なことに、何かを学ぶとより一層そうであることを知り、そのたびに、周囲にはそれができる人、知っている人がたくさんいることに気づく。

それどころか、世の中には私たちの知らないことが無限にあって、それはむしろ我々が世界のより広くを知っていくというよりは、たまたま興味の向いたあるほんの一点を照らしているだけにすぎないように思われる。

社会は思っていたよりもでっち上げで、人間の脳みそと同じくらい不完全で無駄が多く、脆弱なシステムだ。

こう言ってしまうと救いようのない悲観的な見方に聞こえるが、だからダメなんだという話ではなく、
私たちはいくらでも自分で行動を起こす理由があるということであって、これは自分にとって、大学での大きな学びである。

 

“自律”

自立というと、一人で暮らせること、意思決定すること、様々ニュアンスがあるがここでは、

自分で自分の生活を楽しくすること、自分の価値基準でものごとを判断すること、逆に、他人や社会を自分にとって都合の良い鏡とせず、異なる基準を持つことを理解すること、といったことを差して自律と言った。

優秀な人に誠実性の高い人が多い、という話をしたけれど、人間的に尊敬する人に出会うとき、自律はいつもキーワードであったように思う。

しょっちゅう、自律は簡単(シンプル)ではないことを考えさせられているのだが、普段から一歩引いて考えられるようにくせをつけていけたらと思っている。

 

 

 

率直に言って、大学は本当に恵まれた環境だった。いくらでも具体例を列挙できるが、何と言っても、本当に人との出会いに恵まれていたと思う。

高校同期の結束が強くしょっちゅう集まれたのは、上京組の身としてこの上なく頼もしいことだったし、

学科では、女子がいなくても、同期が普通に一緒に勉強してくれたり、気さくに飲みやいろんなちょっとしたことに誘ってくれたりしたことが本当にありがたくて嬉しかった。

研究室では先輩や上司、先生が、どんなにくだらない疑問もわかるまで丁寧に議論してくれる優秀な方々だったことは本当に幸運だったと思う。

教養時代に知り合った友人とは、眩しすぎるくらい楽しい時間を共有して、
各々が全く違う道に進んだ今でもこうしてみんなで集まれるのは本当に嬉しい。

伝えきれないほど、ありがとうって、すべての出会いに感謝している。

人それぞれだけれど、人との関係は怠けていたらどんどん色褪せていってしまうものだと思うから、これからも絡みまくって(笑)友人を一生大事にしたい。

 

これから

さて、つらつらぐだぐだ書いてきましたが(口調変わります)、最後に実務的(?)なことを書くと、

これまで基礎物理をやってきましたが、社会が随分遠くに感じられてしまってううむと思っていたので、修士過程を卒業してからは某IT企業で働くことにしました。新しい職場は自由な雰囲気で、同期も気さくな人ばかりです。どきどき。

またブログについて、今後どういう形にしようかなとちょっと迷走していたのですが、一応音楽系(作曲、編曲、即興、分析)をキーワードにしつつ、変わらずに生活や社会への考察を月一程度で書いていこうと思います。もう少し最適解を模索するかもしれません。

 

ここまで読んでくださってありがとうございました。あなたにとって今日が素敵な日になりますように🌼

 

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「卒業しました(します)」への2件のフィードバック

  1. ご卒業おめでとうございます。
    就職されるのですね。
    素晴らしい才能を研究で活かされるものと思っていました。
    新たな環境での益々のご活躍をお祈り申し上げます。

    1. Cecilika より:

      N 様、
      ありがとうございます。基礎物理からは離れることになりましたが、引き続きアカデミアとの接点は保っていくつもりです。暖かいコメントをくださり、どうもありがとうございます。

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