北米就活 ~ カナダ移住記 – ③就活編

2022年冬、Kitchener 行きの電車に乗るためにトロントの Union Station に降り立ったとき、街には雪が降っていた。

日本で買った厚手のコートに身を埋めながらガラス越しの街に目をやると、北米・カナダの名だたる企業の立派なビルが立ち並んでいて、きらきらと雪を纏っている。

丸の内に勤務していたのだから華やかなオフィス街は見慣れていたはずなのに、街を歩く人々のくらしはどこまでいっても平行線の世界に見えた。

 

 

すっかり季節は夏めいてきて、同じオフィス街は今、全く違った見え方をしている。雪がないということも確かにあるかもしれないけれど、街は誰かの場所ではなく、自分が暮らす街になった。

今回は、カナダに移住してきてから仕事を獲得するまでのはなしでも書こうかと思う。

 

日本人が北米で働くパターン

北米に限らずかもしれないが、アメリカ・カナダで日本人が一般企業で働くのは次のパターンが多い気がする。

  1. ワーホリ(カナダのみ)
  2. 日本でグローバル・外資系企業に就職し、日本チームの海外支店に海外駐在員として勤務
  3. 日本でグローバル・外資系企業に就職し、海外チームに異動
  4. 現地の大学を出てそのまま現地就職
  5. 何らかの手法で就労ビザを調達し現地就職
  6. ビザを就職先の企業にスポンサーしてもらい現地就職

実際には 1. か 2. がほとんどなのではないだろうか。3. はあまり多くないのではと思うが、6. もレアケースだと思われる。

自分のパターンは 5. で、結婚による家族ビザ(就労ビザ)を使った現地就活というパターンになる。ちなみに旦那は純ジャパの大学院生である。

 

北米の就活事情

私は日本で転職をしたことがないので新卒就活しか経験をしたことがないのだが、北米では新卒という概念はなく、どんなロールであってもロール毎にマネージャーが採用募集をかける。即戦力が求められて、新卒とか関係なく関連した職務経験が見られる。そのため、こちらの学生たちは学生時代にインターンをしたりボランティアをして就活に備えるようだ。ボランティア活動などのためにギャップイヤーを取る人もいると聞いた。

特にカナダの修士では Co-op (Co-operative Education) というプログラムがさかんで、これは単位取得必須科目にインターンが入るというようなプログラムである。そのため学生たちは、前期は授業を受け、後期は企業で働く、というようなことをやっていて、実践力と豊富なネットワークを備えつけた状態で就活市場にやってくる。あまりに彼らが就活で強すぎるものだから、私は「〇〇大学就活学科卒」とひそやかに揶揄していた(泣)。

 

 

自分が技術職であるため技術職のことしかわからないのだけれども、採用の流れとしては、レジュメ(履歴書)提出後、オンラインのアサインメント(試験)、採用担当の人との面接、シニアメンバーとの面接、マネージャー面接、給料交渉、バックグラウンドチェック、公式オファーというのが一般的なのではないだろうか。順序が多少前後したり、面接回数が多かったりということはあると思う。

レジュメ提出からオファーにかかる時間は、全体で2-3週間から2ヶ月程というのが所感だ。

ほとんどの場合、一つのポジションに対してたくさんの人(300人とか)が応募し、大多数がレジュメで落とされる。そのため、採用チームに知り合いがいてリファーしてもらうというのが最も成功確率の高い方法だと様々な方からアドバイスをいただいた。ある方は、600個のロールにレジュメを出してインタビューに呼んでもらえたのはたった5社だったと言っていた。地元のCS修士卒でさえそうなのだ。

LinkedinでNetworkingを頑張ったりMeetupで知り合いを作ったり、ということが外人組がとれるアプローチ方法だと思うけれども、北米にゆかりのない人間にとって、リファラーをゲットするというのは結構難しいかもしれない。

 

 

ちなみに自分の場合は、コミュ障であったためほとんどリファーをゲットできず結局レジュメをとにかく出しまくった(そして落とされまくった)。大量のお祈りメールをいただいたのち、最終的には結局4つのポジションからオファーをいただくことができたのだが、どれもリファラーなしでレジュメだけで突撃したケースであった。結果リファラーがいなくてもなんとかなったわけだけれども、成功確率は低かったし時間がかかったので、リファーしてくれる人を見つける方がはるかに効率的だったとおもう。

当たり前だけどもビザがまだないときはほとんど誰にも相手にされなかった。また、コロナが最も横行していた時期の就活だったため、ビザがとれても日本にいる間(カナダの住所や電話番号がない間)は、レジュメを提出してもほとんどかすりもしなかった。

カナダに移住し電話番号を作ってから、ようやくインタビューに招かれるようになったと思う。レジュメの作り方もとても大事なのでよくわかっている人に相談すべきだ。私の場合は、旦那の大学の知り合いや専門コミュニティで知り合った先輩方にお願いしてレジュメを見ていただいた。また、技術職であればなおさら、自分のポートフォリオや GitHub、LinkedinなどのSNS は充実させておくべきである。こういったものは、レジュメ正面突破組が土俵に立てる確率をぐっと高めてくれる。

Share this:

コメントを残す

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください